KAYOKOYUKI

『SLASH』とは、ファンが作った2次創作作品(ファン・フィクション)の中で、キャラクター同士が結びつくカップリングを示す際に、間にスラッシュ記号( / )を入れたことから、それらを総称して「スラッシュもの」と呼ばれるようになりました。

この企画『SLASH』では、単に2人のアーティストを並べて展示するだけではなく、事前に幾度となくミーティングを重ね、お互いのイメージや意識を深く理解するところから始めていきます。その上で、それでは作品を通して、自分たちは今、社会に対していったい何を提案できるのか、何が可能であるのかを話し合い、展示プランを決めます。 また、それはDMのデザインにも及び、2人の目的から抽出したイメージやキーワードを受け、アートディレクターのCRAFTIVE が一つの作品を生み出すように制作しています。

その時代の流行や、1人のアーティスト、キュレーターの視点に任せるのではなく、それぞれが考えを出し合って話し合い、自分達の手でまず価値をつくっていくことこそが必要であると考えます。個人で完結するのではなく、また勝ち負けではないところで、それぞれの思想が交わること、そこから生まれる想像力の可能性を信じて探っていきます。

有賀慎吾は、黄と黒の2色を基調に絵画やインスタレーションを制作しており、前者は魂・光の色、後者はその影・闇を表しています。光の側に隠され表面的には排除されてしまったものを、生き物の体内をレントゲで写しとったように描きます。それはまるで私たちの血管、あるいは細胞を通して脈々と受け継がれるように、また地球上を走る水脈を通って他者と繋がるようにして、共通の認識として知覚するかのようです。 Nile Koettingは、音から喚起される記憶や感覚などをテーマに作品を制作しています。音や映像、空間をインスタレーションすることで、五感を行き来し共感覚を引き起こさせます。それは肉体を振動させ、個人や性別も超えた外部との接続、共鳴さえも可能にしてくれます。

タイトルとなる『Syntactile』とは、言語学において、文を構成する単語同士の結合の仕方である“Syntax”と、触覚という意味の“Tactile”を組み合わせた造語です。音から色、形から匂い、あるいは時間も場所も全く違う別の記憶をふっと喚起させたりといった、五感の行き来を通して日常を別のモノに置き換え、言語を介して行われるコミュニケーションを超えて、より内部のイメージに訴えかけてくるような2人展です。

是非とも足をお運び頂き、表現の可能性を感じてもらえたら幸いです。

有賀慎吾

1983
長野県生まれ
2009
武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
2009
東京藝術大学美術研究科絵画専攻 修士
主な個展
2008
〈蚯蚓考〉3番 GALLERY(東京)
2010
〈The Yellow Show〉Art Center Ongoing(東京)
主なグループ展
2009
〈サイボーグの夢〉Art Trace Gallery(東京)
〈接続 解除〉Art Center Ongoing(東京)
〈閾 - threshold - (サスティナブルアートプロジェクト2009)〉Ueno Town art Museum(東京)
〈Sticky Sloppy Lumpy〉TURNER GALLERY(東京)
2010
〈5th Dimension (Art Center Ongoing presents)〉NO MAN'S LAND, 旧フランス大使館(東京)
〈Neo New Wave〉island(千葉)
〈入ッテハイケナイ家 (Art Center Ongoing Presents)〉黄金町バザール(神奈川)
〈トランスフォーメーション イン 大石膏室〉東京藝術大学(東京)
2011
〈一枚の絵の力〉3331Arts Chiyoda(東京)
〈Story of the Island〉小豆島三都半島(香川)
〈GOD HAND〉アートラインかしわ2011(千葉)
〈TERATOTERA祭り〉PARCO吉祥寺(東京)
Shingo Aruga
1983
Born in Nagano.
2009
BFA in Fine Arts (Painting), Musashino Art University, Tokyo, Japan
2009-2011
MA in Oil Painting,Tokyo University of the Arts, Tokyo, Japan
Selected Solo Exhibitions
2008
“MIMIZU KO”(3 BAN GALLERY / Tokyo)
2010
“The Yellow Show”(Art Center Ongoing / Tokyo)
Selected Exhibitions
2009
“Dream of Cyborg”(Art Trace Gallery / Tokyo)
“SETSUZOKU KAIJO”(Art Center Ongoing / Tokyo)
“IKI - threshold -”(Sustainable Art Project,Ueno Town art Museum / Tokyo)
“Sticky Sloppy Lumpy”(TURNER GALLERY / Tokyo)
2010
“5th Dimension”(Art Center Ongoing, NO MAN'S LAND, French Embassy / Tokyo)
“Neo New Wave”(island / Chiba)
“House”keep out”(Art Center Ongoing, KOGANECHO BAZAAR / Kanagawa)
“Transformation in Large Plaster Cast Gallery”(Tokyo University of the Arts / Tokyo)
2011
“Power of a Painting”(3331 Arts Chiyoda / Tokyo)
“Story of the Island”(Shodoshima island / Kagawa)
“GOD HAND”(Art Line Kashiwa / Chiba)
“TERATOTERA”(PARCO Kichijoji / Tokyo)
http://www.aruga-shingo.com/

ナイル・ケティング

1989
神奈川県生まれ
2008-
多摩美術大学油絵科在籍
2010-2011
Aalto University, Helsinki
主なグループ展
2010
〈Works In Wierd Space〉GENBAGEN(神奈川)
〈OXYMORON〉東京藝術大学(東京)
〈JUMBLE SYM〉ターナーギャラリー(東京)
スクリーニング
2009
〈21/7PM4:00〉多摩美術大学(東京)
パフォーマンス
2008
勅使河原三郎〈The Man Without〉シアターX(東京)
2009
勅使河原三郎〈鏡と音楽〉新国立劇場(東京)
2010
勅使河原三郎〈Dido and Aeneas〉Teatro La Fenice(イタリア)
2011
Riikka Theresa Innanen〈NUMBER〉Cable Factory(フィンランド)
Nile Koetting
1989
Born in Kanagawa.
2008-
Tama Art University, BA, Tokyo, JP
2010-2011
Aalto University, Exchange, Helsinki, FI
Selected group exhibitions
2010
“Works In Wierd Space”(Show and Sales Box GENBAGEN / Kanagawa)
“OXYMORON”(Tokyo University Of Arts / Tokyo)
“JUMBLE SYM”(Turner Gallery / Tokyo)
Screening
2009
21/7PM4:00(Tama Art University / Tokyo)
Performance (dancer)
2008
Saburo Teshigawara “The Man Without”(Theater X / Tokyo)
2009
Saburo Teshigawara “Mirror and Music”(New National Theater / Tokyo)
2010
Saburo Teshigawara “Dido and Aeneas”(Teatro La Fenice / Venice, Italy)
2011
Riikka Theresa Innanen “NUMBER”(Cable Factory / Helsinki, Finland)
http://nileshaw.org/
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