井出 賢嗣 KENJI IDE

Artist bio

ふたりの人 ふたつの時間
2023.1.14(土) - 2.12(日)
オープニングレセプション:1.14(土) 16:00 - 18:00

同時開催:君を忘れないように
2023.1.21-2.12 / DAILY SUPPLY SSS (dailysupplysss.com)

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井出 賢嗣 KENJI IDE After some years 2022 wood, watercolor, soil, wax. 70 x 10 x 18 cm

この度、KAYOKOYUKIでは初となる、井出 賢嗣(いで・けんじ)の個展「ふたりの人 ふたつの時間」を開催いたします。

井出賢嗣はこれまで、個人的な事象をテーマに立体物を中心とするインスタレーションで表現してきました。井出は一貫して「立体物」を表現媒体として選択してきました。それは、何気なく飾っている置物や子供の頃から持ち続けているおもちゃのような「物」に対する信頼感や愛着が起因していると言います。自分の作品を「彫刻」ではなく敢えて「立体物」と呼ぶ井出の態度には、「彫刻」と呼ぶには近すぎる、作品との親密な距離感が示唆されているように思われます。

井出の作品制作の根本にあるのは、彼自身が生活の中で実際に見てきた風景や経験してきた物事です。それはとても個人的なことだけれど、井出の作品は私たちに懐かしさや切なさなどの感情を内包した親密さを感じさせます。立体物として再現された彼の個人的な記憶は、作品を介して観るものに侵入し、誰もが心の中にしまっている自分だけの秘密の風景を呼び起こさせるのです。

本展覧会「ふたりの人 ふたつの時間」では、ふたつ一組のディティールが異なる同じ構造をもつ立体物を中心に構成されています。同じ空間や時間を共有していても、その中で私たちの認識や感覚は微妙にズレていることがあります。それは他愛のない些細な違いかもしれないけれど、決して忘れてはいけない、私たちが個人として生きていく上で不可欠なものです。生活という無限の時間のなかから選ばれた井出の作品には、彼個人が知覚している時間とともに、他者の存在が意識され尊重されています。この他者の存在によって、井出が紡ぐ個人的な物語は私たちに繋がり、そして親密な世界を創造していくのかもしれません。

井出は冗談交じりに「僕の作りたいものを我儘に作っているだけだよ」と言って笑います。しかし一方で、自分が作品を制作するプロセスや行為は人にプレゼントを贈ることにとても似ていると言います。井出の我儘な、しかし優しい贈り物を受け取ることが、私自身、楽しみでなりません。

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