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live printing
2016.7.30 (土) - 9.18 (日)
オープニング・ライブプリンティング:7.30 (土) 16:00 -, パーティー:18:00 - 20:00
夏季休廊:8/8 - 26
会期中、不定期にて作家がシルクスクリーンのライブプリンティングを行っております。
・7.30 (土) 16:00 - 18:00
・8.5 (金)
・8.6 (土)
・8.27 (土)
・9.2 (金)
・9.4 (日)
・9.8(木)12:00 - 17:00
・9.9 (金)
・9.10 (土)
今村洋平は、学生時代から一貫し、版画のシルクスクリーンというアナログな複製技術から、樹脂性のオイルインクを数百回、数千回と重ねる行為によって彫刻的な作品を制作しています。インクが通過する穴を、特殊な乳剤で直接スクリーンに描いて埋めていきながら版を作り、複雑な幾何学模様や、山脈の形状を作り出します。作家自身で発明した技法により、また作品の完成までに半年から一年以上の歳月をかけるため、作家の身体に合わせたスムーズな作業工程を踏めるよう、シルクスクリーンを置く台や作品を出し入れする棚、それらの配置や、作品の支持体などにも細かな工夫がなされています。
本展で発表される新作「tsurugi No.1」「tsurugi No.2」は、地形図の等高線を利用し、日本に実在する山がモチーフとなっています。等高線の本数と同じ222個の版があり、1つの版を約40回ずつ刷ることにより、約0.4mmずつのレイヤーができ、トータルで約9000層 積み重ねられています。「tsurugi No.3」は、1つの版を2回ずつ刷っており、「tsurugi No.1」「tsurugi No.2」と同じ版を使用していながらも、また違った山の表情を見せています。さらに、版毎に使われたインクの色や刷った回数などをデータとしてパネルに記録した「log, tsurugi」や、スクリーンをクリーンナップする際に残ったインクを紙に転写した「turn, tsurugi」など、制作の過程自体が多角的に表現されています。
今村は普段より登山に親しんでおり、山頂から望む雄大なまなざしを取り入れているようにも感じられ、制作行為の重なりと同時に、自然界や時間の重なりとしても観る者に迫ってきます。山の周囲をぐるっと囲むようにしてある抽象的な形状にも見て取れるように、山頂を目指して一歩一歩計画的に進めていく工程を中心に据えながら、その周縁で自然発生する手作業ならではのエラーや、コントロールできない部分を積極的に受け入れ楽しんでいるようにも見えます。
これらの新作は2015年6月から制作を開始し、展覧会会期の最終週となる2016年9月14日(水)の完成を目指して公開制作されます。
今村 洋平(いまむら・ようへい)は、1978年福岡県生まれ。「SP2 -手法の触感-」桑沢デザイン研究所(東京、2014)、「泉太郎キュレーション・有袋類」TALION GALLERY(東京、2012)、「camaboco 展」東京造形大学(東京、2010)、「Draw print book」esplanade(シンガポール、2008)、「WORM HOLE episode6」magical,ARTROOM(東京、2007)、「T&S EXISTANCE」T&S GALLERY(東京、2005-2006)、「ZOKEI賞」受賞(2003、2004)など。神奈川県在住。