大野 綾子 AYAKO OHNO

Artist bio

“To right, from left.”
2016年2月6日(土) - 3月6日(日)
オープニングレセプション:2月6日(土)18:00-20:00

AYAKO OHNO

大野 綾子, To here, from altitude. 2015 , 大理石, 御影石, w64×h40×d3cm

 大野綾子はこれまで一貫して石を扱い、彫刻作品を制作してきました。花や蕾、木や葉っぱなどの植物や、滝や川に水が流れる自然の風景から着想を得た形、また人間の横顔や上半身、泳いでいる時の身体の輪郭、スコップやハイヒールの靴などの身の回りの道具や、食事などの日常の行為からのイメージなど、人々の生活に潜むありとあらゆる事象を形におこし、石にとどめていきます。

 本展覧会では、360cmの長さの台を配置し、石とコンパネで制作した書き割りのような構成で川の風景を表現した「To right, from left」という作品を発表します。展覧会タイトルでもあるこの言葉は、川の水が左から右に流れる様子を、それを眺めている作家の位置から表したものです。素材として使う石においても、それが形成されるまでの途方も無い時間の経過や環境の変化など、自然が持つ神秘性に惑わされることなく、それと向き合う自身の立ち位置を設定することで初めて見えてくる、石の質感や表情、物の形や現象の流れ方といった要素を抽出していきます。

 「石を削るという引き算の手法でありながら、足して付けていくというイメージも同時に持ち判断していく。」という大野は、最初に思い描いた形のイメージを損なうことなく、物質との調和とバランスを図りながら完成に近づけていきます。そうして出来上がった作品からは、石彫作品に付随する作業工程の複雑さや困難を想起させない、石であることすらも忘れてしまうほどの軽快さを鑑賞者に感じさせます。

 大野 綾子(おおの・あやこ)は、1983年埼玉県生まれ。2006年に女子美術大学芸術学部立体アート学科を経て、2008年に東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士課程修了。「第7回大黒屋現代アート公募展」大賞受賞(2012)、個展「さかなとして浸かる」板室温泉大黒屋 (栃木、2013)を開催。近年は「COVERED TOKYO: Hikarie, 2014」渋谷ヒカリエ(東京、2014)、個展「角で端を見る 企画:竹下都+表参道画廊」表参道画廊(東京、2012)、「SLASH/08 -醒めない蜜の味をちょうだい-」waitingroom(東京、2012)、「P.I.C.K.U.P」秋山画廊(東京、2012)など様々な展覧会に参加するほか、美術講座「暮らしの中にみるかたち」練馬区立美術館 (2014、東京)にてワークショップを開催。小豆島 千軒海岸(香川)、相模原公園(神奈川)、翠ヶ丘公園・須賀川(福島)などに作品設置している。埼玉県在住。http://ohnoayako.com/

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